日本に逃れた難民の背景のある人たちや移住者の家族が、地域の一員として安心して暮らせるように相談支援を実施しています。
母国を離れて日本で暮らす一人ひとりの背景を考慮しながら、生活上のさまざまな相談に応じ、必要に応じて家庭訪問やカウンセリングを行っています。ソーシャルワークのアプローチをベースとし、当事者や家族に寄り添いながら、環境調整を行います。また、個人だけではなくコミュニティへの支援も行っています。
具体的には、以下の活動を行っています。
(1) 生活に関する相談と支援
母国とは異なる日本での生活では、言語や文化の違いから種々の困難に遭遇します。日常生活に必要な情報を十分に持たず、誰に相談して良いかわからないまま抱え込んでしまう場合もあります。
ISSJでは、病気、妊娠・出産、子どもの教育・発達、生活困窮、家族関係など、さまざまな相談に応じています。それぞれの人が置かれた状況やニーズに合わせて、利用可能な社会資源に関する情報を提供し、手続きを支援します。当事者が自分の置かれた状況を理解し、必要な情報を得て、適切なサービスを受けられるよう、伴走支援を行っています。医療機関や保健センター、学校、他の支援機関、必要に応じて母国の家族とも連携しながら、地域での暮らしをサポートします。
※各機関との連携に際して、ISSJができることや連携事例はこちらをご覧ください。
また、在留資格や言葉の問題により、医療へのアクセスに課題を抱えている難民および難民申請者に対しては、病院の受診調整も行っています。
(2) 収容されている難民申請者へのカウンセリング
収容されている難民申請者へのカウンセリング(新型コロナウイルス感染症の影響により、現在停止中)
迫害を逃れて来日したものの空港等で上陸を拒否された人や、在留資格を失いオーバーステイとなっている状態の難民申請者は、入国管理局の施設に収容されることがあります。いつ収容が解かれる(仮放免される)かわからず、自由が制限された収容生活は、難民申請者の心身に深刻な影響を及ぼします。
ISSJでは、定期的に収容施設を訪問し、面会室でのカウンセリングを行うと共に、法的手続や仮放免後に受けられる支援に関する必要な情報を提供しています。活動の場所は、東京入国管理局(品川)、東日本入国管理センター(牛久)、成田空港支局、または地方の入国管理局の収容センターです。
(3) 移住者コミュニティへの支援
出身国や地域、言語や宗教を同じくする人たちが特定の地域にまとまって暮らし、ゆるやかなネットワークを形成しながら相互に支え合って生活している場があります。これを、移住者コミュニティと呼んでいます。日本に暮らす外国籍住民が多様化する中で、全国各地に大小さまざまなコミュニティが形成されています。コミュニティの中には、難民の背景のある人とない人が混じり合っている場合もあります。
ISSJでは、移住者コミュニティが日本社会の中で孤立することがないように支援しています。関係機関や自治体とも連携しながら、コミュニティが抱える課題を地域社会の中でどのように解決していくことができるのかを当事者と共に考えています。
(4) 勉強会・ワークショップ
難民および難民申請者のメンタルヘルス、家族支援、多文化ソーシャルワークなどについて、勉強会やワークショップを開催しています。詳細は、オンラインセミナーのページをご覧ください。
ISSJは、他団体・関係機関とも連携しながら、難民・難民申請者を含む多様な背景をもつ移住者への支援の質の向上を目指して活動に取り組んでいます。これらの事業は日本財団やその他の団体からの助成により実施しています。