難民・難民申請者の方々の在留資格にはいくつかの種類があり、それによって利用できる社会保障サービスが異なります。生活支援では、保険など利用可能なサービスを確認し、必要に応じて個別に社会資源を開発する必要があります。
在留資格と社会保障のまとめ
在留資格・法的身分まとめ
在留資格・法的身分 | 住民登録 | 身分証明書 | 就労 | |
難民申請者 | ★オーバーステイ
(入国管理局には未届) |
― | ― | ― |
☆仮放免 | 不可 | 仮放免許可証
難民申請受領書その他 |
不可 | |
☆仮滞在(6ヶ月)
一時庇護上陸 |
可 | 仮滞在/一時庇護上陸許可証
国民健康保険証 マイナンバー |
不可 | |
☆短期滞在
特定活動(2ヶ月/3ヶ月) |
不可
(*出生届を市区町村に届け、在留資格申請している間は子どもの住民票が作成される) |
―
(保険証) (パスポート上の在留許可証) |
不可 | |
家族滞在(3ヶ月~5年) | 可 | 在留カード(中長期在留者)
保険証 マイナンバー |
可(制限あり・個別許可) | |
☆特定活動(6ヶ月) | 可 | 在留カード
保険証 マイナンバー |
可(指定書に基づく制限あり) | |
人道配慮 | 特定活動(1年) | 可 | 在留カード
保険証 マイナンバー |
可(指定書に基づく制限あり) |
難民 | 定住者(1年、3年、5年) | 可 | 在留カード
保険証 マイナンバー |
可 |
難民申請者(asylum seeker):難民認定申請の手続き中にある者
難民(refugee):難民認定を受けた者
人道配慮(humanitarian status holder):難民とは認定されなかったものの、人道的な配慮が必要とされ在留が認められた者
● 仮放免許可
「収容されている者について、病気その他やむを得ない事情がある場合、一時的に収容を停止し、一定の条件を付して、例外的に身柄の拘束を解く」
要件:身元保証人、保証金、住居の指定、
行動範囲の制限(住居のある都道府県内。必要に応じて一時旅行許可を得ることができる。)
出頭の義務
● 子どもの在留資格・国籍
* 日本で生まれた子どもは、市区町村に出生届けを提出しなければならない(14日以内)。
出生から30日以内に入国管理局で在留資格の申請を行う。
* 子どもの在留資格は原則的には親の在留資格に準ずる。
* 国籍は父母の出身国の法に従う。
* 両親のいずれかが日本人の場合、日本国籍を取得することができる(血統主義)。
* 難民は多くの場合、出身国大使館に出生を届けることができないため、子どもは無国籍状態となる。
住民登録がない状態で利用できる資源
● 医療
* 無料低額診療制度をもつ病院への相談
* 精神科通院
自立支援医療(精神通院)の申請。申請後、医療費1割負担。
(市区町村の窓口/県の精神保健福祉センターへの相談)
* 配偶者が勤務先で社会保険に入っている時、被保険者として加入可能な場合がある(勤務先への相談、諸手続きが必要)
*「短期滞在」および「特定活動2ヶ月/3ヶ月」等を有する者は、当該在留資格へと変更される以前に住民登録可能な在留資格を有しており、国民健康保険に加入していた場合、国民健康保険の資格を継続することが可能
* 行旅病人および行旅死亡人取扱法
* 感染症法に基づく公費負担制度(結核)など
* 外国人未払医療費補填事業
● 母子保健
* 母子手帳、妊婦健診補助、定期予防接種
市区町村の窓口への相談。(保健センターで居住の実態を確認した上で利用できる)
* 入院助産制度
市区町村で受け入れ態勢、指定病院での受け入れ枠数などに差
● 教育
* 義務教育課程は、在留資格に関わらず受けることができる。
* 外国人の子どもの教育は義務とされていない。
* 在留資格に関わらず、就学援助制度を利用できる。(学校および教育委員会への相談)
難民申請者の利用できる社会資源
● 保護費(難民申請者である場合)
難民事業本部(Refugee Assistance Headquarters: RHQ)を通して支給。
受給資格:1回目の難民申請中(審査請求(objection)を含む)
2回目の難民申請中で、第1回難民申請の結果に対して訴訟中
支給額:生活費 1,600円/日 (子ども:1,200円)
住居費 60,000円/月 (単身の場合)
医療費実費(上限あり。立替払い。)